産前産後の臀部痛 20代 女性 CA

<症状>
妊娠7ヶ月ごろから右臀部に鈍い痛みが出るようになった。座っていたり、長い距離を歩くと症状が強くなる。産後は抱っこひもを使っていると症状が現れる。

<検査・治療・経過>
鈍い痛みが出ている箇所は、右のお尻にある筋肉でした。触診すれば硬さと圧痛が確認され、筋力も低下していました。この筋肉を緩めてあげれば症状は軽減するでしょう。しかし、問題はなぜ右臀部の筋肉が緊張したのかという事でした。この方は元々立ち仕事をされており、その当時から骨盤には若干のゆがみがあったのだと思います。それが、妊娠中期になって、お腹も大きくなり、骨盤も緩くなったためにゆがみが強く現れてきたのだと思います。そのゆがみによるための右臀部の緊張だったのです。その証拠に臀部の筋肉が付着する右骨盤の関節には顕著なゆがみが確認されました。

筋肉の緊張を緩め、ゆがんだ骨盤を矯正したところ症状はすぐに良くなりました。回数を重ねるごとに治療効果も持続し、今では育児に専念できているとの事です。

<コメント>
分娩後には、普通に生活している人には見られないような骨盤のゆがみが見られることがあります。時間がかかったり、難産だったりすると骨盤のゆがみは複雑になります。この方はよくある(?)ゆがみでしたので比較的早期に改善したケースでした。

院長 古川聖